水彩で描く折々の花
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ラッパ水仙:花の水彩画



水仙の仲間のうち、花弁の内側にある副花冠と呼ばれる部分が喇叭のように飛び出しているものを喇叭水仙という。日本では、水仙といえば平べったい日本水仙をさすことが普通なので、この変わった形のものを喇叭水仙というようになったが、欧米ではこちらのほうが水仙の主流だ。英語でも Daffodil といえばこの喇叭水仙をさしている。

ワーズワースの有名な詩に出てくる水仙も、無論この喇叭水仙だ。これは日本水仙に比べて頭が重いので、風に吹かれると、揺れる姿もダイナミックになる。そこが詩人のイマジネーションを誘ったのだろう。デボラ・カーが主演した「黒水仙」という映画があったが、あれはたしかインドの喇叭水仙をテーマにしていたものと思う。黒というが、色は濃い紫だったのではないか。

喇叭水仙には毒がある。(日本水仙にもあるらしい)葉は韮に似て、鱗茎と呼ばれる球根のような部分は野蒜の鱗茎に似ているので、間違って食われることがままある。うっかり食ったりすると、激しい腹痛と下痢に見舞われ、また頭痛などの神経障害を起こすこともあって、場合によっては死ぬこともあるそうだ。

名こそ喇叭を冠しているが、無論音を出すことはない。風に吹かれて首を振ったときなど、喇叭状の部分からヒューヒューと音をたてたら面白かろう。

この絵にある喇叭水仙は、筆者の家の庭に置いてあるプランターで育てたものだ。秋に鱗茎を植えておくと、春先にはこのように咲く








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