水彩で描く折々の花
HOMEブログ本館東京を描くあひるの絵本万葉集漢詩英詩仏文学プロフィール掲示板


チューリップ:花の水彩画



春の花壇を彩るチューリップは、その名が物語るように舶来の種で、明治以降日本に伝わった。だが今日ではすっかり日本人の趣向に溶け込み、この花を見ないでは春の訪れに実感が伴わないほど、広く深く愛されるようになった。

色彩が豊かでかつ鮮烈なのは、花の中でも一二を競うだろう。形もまた愛らしい。細長い茎の先にふっくらと乗っかった花の姿は、絵になるものを持っている。画家たちにも好んでこの花を描くものが多い。今日では品種改良が進んで、色は青系をのぞけば殆どの色相をカバーしている。形態もこの絵にあるような単純なものから、八重咲きや百合咲きなど多彩だ。

原産地は中央アジアの高原だ。だから寒い気候が栽培には適している。日本では新潟や富山で栽培されているが、球根のほとんどはいまだにオランダから輸入されている。北ヨーロッパでチューリップつくりが盛んになったのは16世紀以降のことで、17世紀のオランダではチューリップの球根が投機の対象になったほど加熱した。今日の先物市場はチューリップへの投機を原型にして発展したものだ。

チューリップの花言葉には、愛に関連したものが多い。愛の告白、永遠の愛、誘惑といったものから、失われた愛、望みなき愛、失恋などネガティブなものまで多彩な愛の諸相に対応している。

チューリップを歌った歌としては、例の小学唱歌がある。誰でも子どもの頃に歌ったことがあるだろう。

球根には生命力がみなぎっており、簡単に分球するので、素人でも増やすことが出来る。ただし立派な球根を育てるには、開花後二日以内に花茎を切り取らねばならない。

この絵は筆者の家の庭で、プランターで育てたものだ








HOME花の水彩画



作者:壺齋散人 All Rights Reserved(C)2008