水彩で描く折々の花
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スズラン(鈴蘭):花の水彩画



スズランとは名前からして愛らしい花だ。二枚の大きな葉っぱの合間から細い花茎が伸び、そこに小さな花をいくつか咲かせる。花の形は壺状に丸まって、それがうつむき加減に垂れ下がっている様子が鈴のように見える。そのスズランが群がって咲いているさまは、真珠の滴のようでもある。初夏の空気をいっそうすがすがしいものにしてくれる。

日本では関東以北に広く分布している。寒さや日陰にもよく耐え、生命力は強い。地下茎を伸ばしてその先から毎年新しい芽を次々と出す。だから数年間で、庭のあちこちがスズランだらけになることもある。抛っておいても枯れることはない。ランの一字を冠しているがランの仲間ではなく、ユリの仲間に近い。

日本のスズランは花茎が葉より短いが、ヨーロッパ産のものには大きな花茎のものもある。また色彩も白だけではなく、ピンクや赤もあり、観賞用に栽培されている。特にフランスではこの花を愛する人が多いという。

花は芳香を放つので、香料にも使われる。しかし毒をも併せ持っている。間違っても口にしないことだ。スズランの花を活けておいた花瓶の水でも、誤って飲むと中毒を起こすほど毒性は強い。

花言葉には「幸福の訪れ」とか「純潔」がある。清楚な花のイメージに相応しいといえるだろう。








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