ヴェランアルシュ彩花堂において、普段水彩画の実践に使用している紙です。F5号サイズの、天のり仕立てのブック型スケッチブックを使っています。 (大きいサイズの全紙ももちろんあります。250gと270gの2タイプ) この紙は、本来版画用に開発されたものですが、水彩画用にも優れています。 絵の具の吸い込みが非常によく、いったん乾いた後重ね塗りすると、下の絵の具の層が融け出すことなく、上下の色がうまく混色して、色ガラスを重ねたような効果が得られます。ただ、紙の表面は余り丈夫ではなく、マスキングには向いていません。 アルシュ水彩紙の中では世界最高級とされるものです。とにかく発色がすばらしい。ヴェランアルシュの備えている長所をすべて有し、更に紙の表面が丈夫なので、マスキングはもとより、ひっかきや洗い出しなどどんな技法にも耐えられます。 ただ、300gの全紙(56×76cm)が一枚900円と高価なのが玉に瑕です。 ファブリアーノ・クラシコ5ファブリアーノ社はヨーロッパ最古の歴史を誇る紙のメーカーで、あのダ・ヴィンチやラファエロも使ったとされています。この紙は名前から連想されるとおり、コットン50パーセントの紙です。 210gの全紙(70×100cmです)700円と比較的廉価ですが、発色はすばらしい。紙の色は純白で、吸い込みはほどほどです。色を洗うこともできます。 ウォーターフォード英国の高級水彩紙で、癖のない使いやすい紙です。適度な吸い込みがあり、紙の表面も丈夫です。 幅広い技法に対応できますが、特に重ね塗りに向いています。 ワットマンビロードのような肌ざわりの紙です。ターナーやゲインズボロが使ったことで有名です。絵の具の吸い込みのよさは和紙のようで、いったん塗った色は決して消えません。 また塗れている時の色と乾いた時の色が極端に変化しますので、色のコントロールに熟練が必要かもしれません。乾いた時の発色の美しさはベストの部類に入るでしょう。 紙の表面は余り丈夫ではありません。 モンヴァル・キャンソンフランス製の水彩紙。輸入紙の中では安価な紙です。きめが細かく、ソフトな仕上げの紙で、絵の具の吸いj込みはあまり強くなく、一旦塗った色を簡単に落とせます。このため、重ね塗りには適していないといえます。 ただ、発色は豊かですので、その特性を生かし、さらっとした淡彩風の絵に向いています。 紙の表面は丈夫ではありません。 |
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