市販されている水彩紙のうち、200ポンド(430グラム)程度のものは、厚さも強度も十分ですので、水をたっぷり使って製作しても、紙はほとんど変化しません。したがって、製作を快適に行えるほか、完成後はそのままの状態でフレーミングすることができます。

しかし、市販されている紙のほとんどは140ポンド(300グラム)以下ですので、このような強度を期待できません。

スケッチブックに多用されている90ポンド(190グラム)のものでは、普通に絵の具を塗っても紙は大きく反り返り、また表面に波のような皺を生じて、描きづらいばかりか、完成後のみたくれもよくありません。

140ポンド(300グラム)のものは、そうひどくは反り返りませんが、水を多用するなど用法によっては、それなりに反りますし、波打ち現象も生じます。

紙の反り返りや波打ち現象を防止或いは修正し、快適な製作環境と作品の見た目のよさを確保する手段として、水彩紙の水張やそれに似た方法が用いられています。


水張


紙を濡らして板に張り付け、四辺をテープで固定して乾燥させるというものです。どんな紙にも応用できます。いったん乾いた紙は太鼓の皮のようにピンと張り、水で濡らしても、反ったり波打ったりしません。次のような手順でやってみましょう。
・ 紙を、仕上げのサイズよりやや大きめに切る
・ 紙に水をたっぷり含ませる 風呂桶につけるのが理想ですが、流れる水道水で両面をたっぷり濡らすのでもよい
・ 濡れた紙を垂直にして余分な水分をきる
・ 紙より一まわり大きな板に紙を載せ、紙を十分にのばして、紙と板の間に空気が残らないようにする (でないと、乾いたときに、その部分が盛り上がってしまう)
・ 紙の四辺をテープで固定する(水張用の紙テープ、マスキングテープ、粘着テープなど)
・ 板を立てて放置し、一晩乾かす
こうして乾かした紙は、ピンと張り詰めているので、絵の具を塗っても、反ったり波打ったりせず、快適に製作できます


簡易水張


時間が十分にとれないなど、上記によることが困難な場合、一部を省略するやりかたもあります。

もっともやりやすいのは、紙の半分、すなわち裏側部分だけを刷毛でしめらせ、テープで固定する方法です。この方法だと、一晩置く必要が無く、すぐにでも絵の具を塗ることができ、しかも反り返りや波打ちを相当程度抑えられます。

紙の乾いた状態でデッサンをすませたのち、このやり方を採用するのが、もっとも利にかなったやり方といえましょう。


押し花式プレス


スケッチブックにそのまま描く時には、当然ながら水張ができませんので、多くの人は、反り返りを防ぐため、スパイラル面の反対側をクリップで留めたりして、紙の安定を図ると思います

しかし、この方法では、完成した作品は、おそらく浪打現象のために、でこぼこだらけの状態だと思います。

この紙を真っ直ぐに伸ばして、見た目のよさを回復するためには、プレスをする方法があります。

描いた面の反対側を濡らして、2枚の板の間にはさみ、その上から何冊も本を載せたりして重石代わりにし、一晩置くというものです。紙は押し花のようにピンと張ること請け合いです。





       


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水彩紙の水張と波打ち防止