色にも温度感のようなものがあります。視覚と触覚とは本来別の感覚ですが、色によっては暖かく感ずるものと、冷たく感ずるものがあるのです。これを、共感覚の一種として、色の温度
Color Temperature と表現することができます。 視覚的イメージとして、冷たい色つまり寒色は後退して感じられるのに対して、暖かい色つまり暖色は前進して見えます。このことを覚えていると、彩色する際に大変参考になります。 背景を寒色にして、前景を暖色にすれば、破綻のない色彩配置を得ることができます。 下の図は、色彩輪の中での寒色と暖色の分布を示しています。黄色から紫にかけては暖色、グリーンから青紫にかけては寒色ということができます。 ところで、同じ赤でも黄色がかった色は暖かく感ずるのに対して、青みがかった色は冷たく感じます。同じような色相でも、そこに含まれている色の成分に応じて、暖かさや冷たさを感じることがあります。 これは光の波長とも関係していると思われます。概していうと、波長の短いものは冷たく感じ、波長の長いものは暖かく感じられるようです。(下図はhandprintより引用) さまざまな色を見ると、そこに含まれる色の成分のうち、青みが増すほど冷たく感じ、赤みが増すほど暖かく感ずるようです。黄色は中間の波長の色ですので、左右の位置にある色に対して、暖かくしたり、冷たくしたり、相対的な役割を果たします。 |
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