WATERCOLOR
 −水彩画:画材・技法・アーチスト
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画面のバランス:水彩画のテクニック

 
画面の構成・配置にはバランスが必要です。バランスには三通りのものがあります。色のバランス、明暗のバランス、構図のバランスです。これら三通りのバランスが整っていると、画面は非常に安定したものに見えます。しかし、抽象画のように、バランスよりも意外性を優先するような場合もありますので、一概にバランスが絶対とも言えません。ただ、画面を安定したものにするには、バランスを考慮しなければなりません。



これ(拙作)は、色のバランスを考慮したものです。色のバランスをとるには、画面を四分割して考えるのがよろしいい。四分割された部分それぞれに、さまざまな色が偏らずに、都合よく配置されるように配慮します。この絵の場合、主役の色であるグリーンを中心にして、赤、白、黄色といったキーになる色を、四分割された部分にもれなく配置しています。



これ(拙作)は、明暗のバランスを考慮したもの。明暗の場合にも、画面を四分割して、それぞれの部分に明暗対比を表現すると、画面が安定します。どこかの部分に明暗対比が集中すると、絵が偏って見えてしまいます。

構図のバランスについては、とくに風景画の場合重要な意義を持ちます。風景画は、地平線や水平線によって画面が上下に分割されるものですが、その場合、上下を均等に分割してはいけません。一応の目安として、7対3に分けるのがよろしい。



これは、ウィンズロー・ホーマーの風景画。上部を7、下部を3の割合で、画面を分けています。そうすることで、画面上部のモチーフが強調されて見えます。



同じくウィンズロー・ホーマーの作品。これは、上の絵とは反対に、画面の下部を7,上部を3の割合で分けています。そうすることで、荒れた海のダイナミックな雰囲気が協調されて見えます。

  
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