WATERCOLOR −水彩画:画材・技法・アーチスト |
HOME | 壺齋閑話 | 東京を描く | 西洋美術 | 日本美術 | プロフィール | 掲示板 |
明暗対比:バロック感覚 |
ヨーロッパの絵画史上、明暗対比を極度に強調して劇的な効果を演出した流派にバロック派があります。カラヴァッジオに始まり、レンブラント、ベラスケスへと続く流れです。かれらはルネッサンスに続く時期の西洋絵画をリードしました。日本人に人気の高いフェルメールもこの流れの延長上にあるといえます。 水彩画の分野では、時代的なこともあって、バロックと名付けられるようなものは指摘できませんが、20世紀の初めにドイツを中心にして盛んになった表現主義の美術運動には、バロック的な雰囲気が感じられます。明暗対比を強調して、画面に躍動感を表現する一方、精神的な主張のようなものを感じさせます。表現主義はexpressionismといって、impressionismに対比される概念ですが、言葉通り精神的な主張を外形として表現しようとする傾向をもっていました。 これは、表現主義の画家エミール・ノルデの作品。背景とモチーフとの明暗対比を強調することで、モチーフを浮かび上がらせようとするところは、カラヴァッジオ以下のバロック画家と共通します。 これは、アウグスト・マッケの作品。マッケもノルデ同様、ドイツ表現主義の画家です。強烈な明暗対比をベースにして、精神的な主張を感じさせようとするところがあります。 |
HOME |構図 | 次へ
HOME|水彩紙|絵の具|筆と小物|素描|色彩|混色|彩色
アーチスト|人物画|風景画|東京を描く