水彩で描く折々の花
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柿の実:花と草木の水彩画




筆者が少年時代に住んでいた家には、庭の片隅に大きな柿の木があった。晩春に小さな白花を咲かせたあと、緑色の果実が夏の間に徐々に大きくなり、秋には橙色に色づく。その間台風がやってきて、多くの実が吹き飛ばされるが、それに耐えて生き残ったものが、秋の深まりとともに甘い実になる。筆者は物置の屋根に上り、そこから先端を二つに割った竹竿を延ばして、一つ一つ実をもぎ取ったことを思い出す。

柿の木は、実がたわわになった姿も絵になるが、秋を過ぎて冬を迎える頃、枝の所々に数個づつ残っているところもなかなか風情がある。このような柿を、木守柿というのだそうだ。

柿は実の熟したものは秋の季語、花の咲くころは春の季語になっているが、木守柿は冬の風景というべきだろう。

柿を歌った俳句としては、子規の「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」が有名だ。子規は大の柿好きだった。筆者も果物の中では柿が最も好きだ。








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