WATERCOLOR
 −水彩画:画材・技法・アーチスト
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ウェット・イン・ウェット:水彩画彩色テクニック

 
ウェット・イン・ウェットは、にじみとかぼかしとも呼ばれています。紙に水をたっぷり乗せ、それに絵具を置きます。絵具は、水分が少なくとも、またたっぷり含んでいてもよろしい。その差によって、効果は違ってきます。水分を少なくした方が、メリハリのある効果が得られます。

ウェット・イン・ウェットの面白いのは、事前に予想できないような、意外な効果が得られることです。多量の水分のために、絵具は流動的になり、輪郭がぼやけたり、また全体ににじんだ印象を与えます。そのことから、ぼかしとかにじみとか呼ばれるわけです。



これは、水をたっぷり乗せた紙に、絵具を置いたところです。絵具の中心部分から周辺に向かって彩度が落ちてゆき、輪郭があいまいになっています。そこが場合によっては、絵に劇的な効果を生み出します。



これはピーマンを描いたもの。にじみ効果のために、ピーマンが立体的に表現できます。こういう絵の場合には、周辺部の輪郭にかかわる部分は通常の平塗りで描き、内部の立体性にかかわる部分をウェット・イン・ウェットで描くと効果的です。

複数の色をウェット・イン・ウェットで重ねる場合には、前に塗った色がある程度乾いてから、次の色を塗るほうがよろしい。そのほうが、コントロールしやすいからです。

ウェット・イン・ウェット技法を多用した画家としてアンドリュー・ワイエスがあげられます。ワイエスは、ウェット・イン・ウェットを使って、雨とか霞んだ風景を描くのが得意でした。

  
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