WATERCOLOR
 −水彩画:画材・技法・アーチスト
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画面の奥行と遠近感:水彩画の構図

 
水彩画は、二次元の平面に三次元の立体空間を表現するわけですから、立体的に見えるような工夫が必要になります。立体的に見えるとは、奥行きが感じられるということです。画面に奥行きの深さを表現するための工夫にはいくつかのものがあります。

まず、輪郭線。輪郭線のはっきりしているものは、ぼやけているものよりも前方に飛び出して見えます。その特徴を生かして、背景をぼやかして描き、モチーフを明瞭な輪郭で描くことで、奥行きのある表現ができます。モチーフのうちでも、前面の強調したいものの輪郭をもっとも明瞭に描き、中間的なものはやや不明瞭に描くという工夫が必要です。



これは拙作。背景の森をぼやかして描き、モチーフの樹木を明瞭に描きます。樹木のうちでも、前面のものをより明瞭にえがき、遠くになるにしたがい、やや曖昧な表現にします。そうすることで、全体として奥行きを感じさせる絵になります。

拝啓をぼやかす表現のバリエーションとして、空気遠近法があります。近くのものと遠くのものとのあいだには、当然空気が介在します。ですから、遠くにある山は、肉眼で見ても、青っぽく霞んでみえます。空気があるせいです。絵にも、そうした空気を介在させる表現があります。



これも拙作。空気遠近法を活用して、遠くの山を青っぽく霞んだように表現してみました。それに対してモチーフの女性たちは、明瞭に描き、中間にある樹木などは、ざっとした感じで描きます。そうすることで、全体として奥行きを感じさせる表現になります。

このほか、明暗対比や構図などで奥行きを表現できます。

  
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