WATERCOLOR −水彩画:画材・技法・アーチスト |
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Watercolor Artists 水彩画の巨匠たち:水彩画の歴史 |
水彩画は、あのレオナルド・ダ・ヴィンチがイタリア製の水彩紙を用いて描いていたと、イタリアの水彩紙メーカー老舗のファブリアーノが社史の中で強調しているところから、すでにルネサンス期のイタリアで、盛んだったようだ。しかし、ダ・ヴィンチを含めて、デッサンに毛の生えたような扱いで、独立した美術とは受け取られていなかった。だが、水彩画の歴史が、すくなくともルネサンス期に遡ることは重要な事実だ。 水彩画の美術的価値を高めたのは、16世紀の初めにドイツで活躍したアルブレヒト・デューラーである。デューラーも、公開を前提に水彩画を描いたわけではないが、水彩画でしか描けないような、独特の美を追求した。デューラーは、美術作品としての水彩画の地位を確立した画家といってよい。 水彩画を、公開を目的として描いたのは、ウィリアム・ブレイクである。ブレイクの本業は詩人だが、自分の詩集の挿絵として水彩画を描いた。そのブレイクに先立って、17世紀のフランドル地方で、水彩による風景画が盛んになった。水彩画の歴史上「17世紀の地誌的風景画」と呼ばれる。その頃、鉛筆が発明され、鉛筆による下書きに、水彩絵の具で彩色するという手法が確立したのだった。 ブレイク以後、イギリスが水彩画の中心地になっていった。J・M・W・ターナー、トーマス・ガーティン、ジョン・コンスタブルといった水彩画家を輩出し、イギリスの水彩画は世界をリードした。イギリスは、油彩画やほかの造形美術の分野では、大陸に後れをとったが、水彩画に関しては歴史の担い手といえるほどの、盛況を呈したのである。 イギリスでの水彩画の動向は、出自を同じくするアメリカのアングロ・サクソン人にも拡がっていった。アメリカは、いまでは世界でもっとも水彩画の盛んなところだが、それは19世紀にウィンズロー・ホーマーが登場して以来のアメリカ美術の伝統となった。 一方、ヨーロッパ大陸では、19世紀の末から20世紀の前半にかけて、フランスやドイツを中心に水彩画が盛んになった。セザンヌやゴーギャンは多数の水彩画を残しているし、ドイツでは、ノルデとかマッケといった表現主義の画家を中心にして水彩画が盛んに描かれた。 日本では、岩崎ちひろや安野光雅といったユニークな水彩画家が現れたが、英米ほど盛んではない。 ここでは、水彩画の歴史に大きな足跡を残した巨匠たちの作品を取り上げ、鑑賞してみたいと思う。 アルブレヒト・デューラー 17世紀の地誌的風景画 ウィリアム・ブレイク J・M・W・ターナー トーマス・ガーティン ジョン・コンスタブル J・S・コットマン リチャード・P・ボニントン ラファエル前派 ジェームズ・ホイッスラー ウィンズロー・ホーマー ジョン・サージェント モーリス・プレンダーガスト ● ポール・セザンヌ ポール・ゴーギャン ポール・シニャック エミール・ノルデ ワシリー・カンディンスキー パウル・クレー アウグスト・マッケ エゴン・シーレ ラウル・デュフィ ● ジョン・メアリン エドワード・ホッパー チャールズ・ディーマス |